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中学受験の志望校の決め方|志望校は「解く過去問」を決めるため

10月4日
読了時間: 8分

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■ この記事の要点(30秒でわかる) ・志望校は、「解く過去問」を決めるために決めます。学校ごとに出題形式や時間配分がまったく違うため、志望校が定まらないと、過去問演習の的が絞れません。 ・志望校は、1校ではなく「挑戦・実力・安全」の3層で決めます。単願で構えると、入試当日1回の結果に学習戦略ごと左右されてしまいます。 ・偏差値表は、「今の実力」ではなく「まだ足りない距離」を教えてくれる表です。諦める材料ではなく、残り期間で縮める距離を測る道具として使います。 ・決める順番は、「挑戦校」からではなく「実力相応校」からです。実力相応校が決まって初めて、過去問演習の基準となる時間配分や記述量が見えてきます。 ・文化祭や説明会ではすべての学校がよく見えます。そのため、あくまでも最終確認の材料として参加してください。文化祭や説明会は、いわば学校の「よそ行きの姿」。判断に迷ったら、平日や土曜の授業を実際に見学させてもらうことをおすすめします。 ・志望校が決まっていない状態で始める過去問演習は、効果が出にくくなります。どの学校の傾向に合わせて解き方を身につけるかが、まだ定まっていないからです。

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「文化祭や説明会には行ったけれど、志望校をどう決めればいいのか分からない」――9月から10月にかけて、毎年このご相談が増えます。偏差値表とにらめっこして決める、というイメージを持たれがちですが、指導の現場で見てきた実感から言うと、志望校選びには決めるべき「順番」と「構造」があります。


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■ 志望校は、「解く過去問」を決めるために決める

多くのご家庭は、志望校を「憧れの学校を選ぶこと」だと考えています。もちろんそれも大切な側面ですが、指導の現場でより重要だと感じているのは、別の役割です。志望校は、「解く過去問」を決めるために決めます。

同じ「算数」でも、学校によって出題はまったく違います。記述式で途中式まで採点される学校もあれば、答えのみで処理速度を問う学校もあります。大問4問でじっくり考えさせる学校もあれば、小問数十問を時間内にさばかせる学校もあります。この違いに合わせて解き方を練習しなければ、どれだけ量をこなしても、本番での得点に結びつきにくくなります。

志望校が決まっていない状態で始める過去問演習を、現場でよく目にします。とりあえず近い偏差値帯の学校を何校か解いてはいるものの、狙いが定まらないまま時間だけが過ぎていく。志望校を決めることは、憧れを言葉にする作業である以前に、残り期間の練習メニューを決める作業なのです。


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■ 志望校は、1校ではなく「挑戦・実力・安全」の3層で決める

では、どう決めるか。志望校は、1校ではなく「挑戦・実力・安全」の3層で決めます。

「挑戦校」は、今の実力より一歩上、憧れも含めた学校。「実力相応校」は、直近の模試や過去問の得点率が、合格者平均に近い学校。「安全校」は、今の実力でも確実に合格が見込める学校です。この3層をあらかじめ構えておくことで、入試当日1回のコンディションに、学習戦略全体が左右されずに済みます。

単願で1校だけを見据えて突き進むご家庭もありますが、指導の現場で見ていると、3層を段階的に構えた家庭のほうが、直前期まで学習が安定しやすい傾向があります。安全校が決まっているという安心感が、挑戦校への学習に集中させてくれるからです。


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■ 決める順番は、「挑戦校」からではなく「実力相応校」から

3層を決める順番にも、コツがあります。決める順番は、「挑戦校」からではなく「実力相応校」からです。

憧れの挑戦校から決めたくなる気持ちは自然ですが、挑戦校だけを見据えていると、今の実力との差が大きすぎて、日々の学習の基準になりません。先に実力相応校を決めることで、「この時間配分で、この記述量を、この正答率で解く」という、練習の物差しが具体的になります。

実力相応校の基準が定まったあとで、挑戦校を「その基準からどれだけ背伸びするか」、安全校を「その基準からどれだけ余裕を持たせるか」という形で決めていくと、3層それぞれの位置づけが自然にはっきりします。


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■ 志望校が仮決定したら、まず入試問題を解いてみる

志望校が仮決定したら、実際にその学校の入試問題を解いてみてください。

それにより、ほとんどの場合、合格ラインに遠く及ばないことがわかります。ただ、これで問題ありません。過去問演習の役割の一つは、自分と志望校との距離を確認することにあるからです。冒頭でお伝えした、偏差値表を「まだ足りない距離」を測る道具として使う考え方と同じです。

目標がない状態で、緊張感をもって学習を進めることは難しいものです。合格ラインとの距離が見えて初めて、日々の学習に具体的な目標が生まれます。だからこそ、この作業が必要になります。そのためにも、志望校は仮でもいいので、早めに決める必要があります。


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■ 文化祭・説明会は、学校の「よそ行きの姿」

最後に、この時期に多くのご家庭が参加される文化祭・説明会の使い方です。文化祭や説明会では、すべての学校がよく見えます。そのため、あくまでも最終確認の材料として参加してください。

文化祭や説明会は、いわば学校の「よそ行きのおしゃれをした状態」です。生徒も先生も、一年でいちばん気合の入った姿を見せてくれます。どの学校に行っても「良い学校だな」と感じるのは、当然のことなのです。

ですから、文化祭や説明会だけで学校同士を比較しようとすると、印象の差がつきにくく、決め手を欠いてしまいます。基本的には、それより前の段階で、学校案内やホームページ、説明会の内容などから学校情報を集めておいてください。

それでも判断に迷うようであれば、学校に直接連絡をして、見学をお願いしてみてください。私立中学の多くは土曜日も授業を行っているため、実際の授業の様子を間近で見ることができます。お子さんが普段通う姿も、具体的に想像しやすくなります。学校によっては、校長先生や副校長先生、教頭先生が見学に対応してくださることもあります。こうした対応は、入学後に保護者や生徒がどう迎えられるかを映す一面でもあり、授業の様子だけでなく、そうした先生方の対応もあわせて見ておくといいかもしれません。

ただし、学校見学の意味は、学校の実情を知ることだけではありません。お子さんのやる気につなげるという側面もあります。「こんな立派な学校に入りたい」と思わせることも、文化祭や説明会の大切な役割です。志望校選びの最終確認としてだけでなく、お子さんのモチベーションを高める機会としても、ぜひ文化祭や学校見学会をご活用ください。


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■ よくある質問(FAQ)

Q. 志望校はいつまでに決めればいいですか?

A. 「実力相応校」だけは、過去問演習を本格的に始める前、できれば秋のはじめまでに仮決定しておくことをおすすめします。決まっていないと、過去問演習の的が絞れないまま量だけこなすことになります。挑戦校・安全校は、模試の結果を見ながら11月頃まで調整して構いません。


Q. 偏差値が届いていない学校は、志望校から外すべきですか?

A. すぐに外す必要はありません。偏差値表は「まだ足りない距離」を教えてくれる表です。残り期間で縮められない差かどうかは、過去問の得点率で判断してください。届いていない偏差値でも、出題形式との相性が良ければ、得点は伸びることがあります。


Q. 子どもが「憧れの学校」しか見たがりません。どう関わればいいですか?

A. 憧れそのものは否定しなくて大丈夫です。ただし、その学校を「挑戦校」として位置づけたうえで、実力相応校と安全校もあわせて決めることを伝えてください。憧れが学習のモチベーションになる一方で、3層のどこにも実力相応校がない状態は避けたいところです。


Q. 併願校が多すぎても大丈夫ですか?

A. 受験できる校数には限りがありますが、挑戦・実力・安全の3層それぞれに1〜2校ずつあると、当日の結果に振り回されにくくなります。数を増やすことより、3層のバランスが取れているかを優先して確認してください。


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■ まとめ|この記事で覚えておいてほしい3つのこと

1. 志望校は、「解く過去問」を決めるために決めます。

学校ごとに出題傾向が違うため、志望校が定まって初めて、過去問演習の的が絞れます。


2. 志望校は、1校ではなく「挑戦・実力・安全」の3層で決めます。

単願で構えず、段階的に決めることで、学習も精神面も安定します。


3. 決める順番は、実力相応校からです。

ここが決まって初めて、日々の学習と過去問演習がつながります。


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「志望校がなかなか決まらない」「偏差値表のどこを基準にすればいいか分からない」――志望校の位置づけが決まれば、そこから先の過去問対策は、驚くほど具体的になります。

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監修・運営

講師名:塾ゴマ代表・平城博隆

講師の経歴:指導歴25年、これまでに3,000名以上を合格へ導く。大手学習塾で同社最短の校舎責任者を経て経営の中核を担い、IT教育業界を経て独立。中学受験専門のオンライン個別指導塾「塾ゴマ」を運営。「教育は才能に勝る」をモットーに、今も自ら指導にあたる。

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